今日のテーマは
小学生に読書好きになってほしい!
です。
「うちの子はすっかり読書好きです!」という方には必要のない稿です。
子供たちはすぐにワクワクしたい!
今の子はスマホとテレビゲームに親しんでいます。
親が苦労して苦労して、それでもなかなか静かになってくれない子供たちを、一瞬で黙らせるパワーを持つスマホ。
子供たちが一旦あちらの世界に行ってしまったら、読書の世界に連れ戻すことはたいへん困難です。
子供たちはなぜスマホやゲームが好きなのか?
それは「スマホが自分をすぐにワクワクさせてくれるから」だと思います。
「ワクワク」も重要なのですが「すぐに」が案外重要。
小説だと登場人物の状況を把握しないとワクワクできません。把握するための助走期間がけっこう長い。
小説家は必死で最初の1行目や1ページ目に力を注ぐのですが、それでも一番ワクワクするシーンは2~3時間後にやって来ることが多いです。子供たちにはハードルが高いでしょう。
なら、
「すぐにワクワクできる読書」から始めればいいと思いませんか。
そんな夢みたいな本がある?
あります。
それが今日お薦めする福音館書店「かがくのとも」シリーズです。
ハッキリ言って絵本です。
かがくのともシリーズ
読書を「野球」に例えるなら、「長編小説の行間まで掴み取る技術」は「高校野球の公式戦でヒットを打つ」くらいの難易度でしょうか。「書評を書ける人」は超一流のプロ野球選手。
では小学生の子供たちはやっぱり「素振りとキャッチボール」から始めないといけない。「キャッチボール」も実際やると相当難しいです。大人でもできない人の方が多いくらいです。ますます読書に似てますね。
読書の世界のキャッチボールは絵本です。
一口に絵本と言っても、侮れない深い絵本が数限りなく存在します。幼児向けと決めつけるのは勿体ないです。
福音館書店「かがくのとも」シリーズをご記憶の親御さんも多いでしょう。
虹がなぜできるか?
音はなぜ聞こえるのか?
おじいちゃんはなぜ早起きするのか?
かがくのともシリーズは1969年に創刊され50年以上続く大ロングセラーです。詳しくは公式サイトにて。600冊を超える作品群はもはや大河ドラマです。
小学生なら誰もが一度は「虹の足元に行きたい!」と考えるし「雨と晴れの境界を見たい!」と考えます。
そういう小学生のロマンを満たすのがこの「かがくのともシリーズ」です。
福音館書店の公式サイトでは「かがくのとも」シリーズの対象年齢は5~6歳とあります。正直言ってこれはかなりハイレベルです。「かがくのとも」の真価は5~6歳児では測れないと思います。
私に言わせれば「かがくのとも」シリーズは6~15歳向けです。立派な理科で本物の科学です。化学もあれば物理や生物もあります。たぶん探せば地学もあると思います。
ぱっと見は絵本の絵が可愛らしいため、幼児向けに見えますが、中身は非常に深いです。5歳ではわかりませんよ。「本を好きな小学生1年生」から「本が苦手な中学生」まで十分に楽しめます。
そしてこのシリーズはたいがい一冊5分で読めます。
そして1ページ目からいきなり好奇心を刺激されます。
「植物の根っこは土の中でどうなってる?」
「真夜中の町はどうなってる?」
「トリケラトプスとジャングルジム、どっちが大きい?」
とか。1ページ目にこういうことが書かれています。
読書は子供が「能動的に読む行為」です。最初から長編小説は厳しいです。無理矢理読ませて読書嫌いになったらその子の人生、大損します。
まずはとっつきやすい「短いもの」を勧めましょう。
私は漫画でも立派な読書だという考えです。
野球はキャッチボールから。
読書は絵本と漫画からでOKです。
「キャッチボールの次」の段階
「絵本」の次のステップとして「短編小説」はまだ少しハードルが高いかもしれないです。
絵本と小説の間の「読みやすいジャンル」がないかなあ・・・と常々考えています。
「童話」や「神話」も面白いです。小学4年生以上なら「新聞」も良いです。「全部読め」は無理なので親御さんが小学生に興味ありそうな記事を選んで400字程度の記事を毎日読ませるといいでしょう。事件や政治じゃなくて「地元」や「季節」のニュースでいいんですよ。「読者の声」もだいたい400字程度です。